OutlookのPSTアーカイブとOSTアーカイブを、Thunderbirdで読めるMBOXメールボックスに変換します。同じファイルはApple MailやPostboxでも開けます。PCにOutlookは必要ありません。
PST→MBOX変換ソフトで.pstファイルまたは.ostファイルを指定します。ファイルはディスクから直接読み込まれます。左のペインにフォルダーツリーが表示され、変換前にどのメッセージでも開いて確認できます。
ツリーでフォルダーを選択します。空のフォルダーはスキップでき、「削除済みアイテム」は除外でき、日付範囲は必要な年に絞り込めます。
「変換」タブで出力形式をMBOXに設定します。同じ名前のメールボックスファイルが既にある場合は、その扱いを選びます。「追記」を選べば、1か月前に変換したアーカイブに新しいメールを追加できます。「名前を変更」と「上書き」も選べます。
出力ディレクトリをThunderbirdに渡します。「インポートエクスポートツールNG」アドオンでインポートするか、プロファイルフォルダーにそのまま置きます。名前の変更や組み直しは一切必要ありません。
MBOX自体は階層構造を持ちません。「受信トレイ / 2026 / 顧客」のような構成を保つため、PST→MBOX変換ソフトは各フォルダーを1つのメールボックスファイルとして書き出し、その子フォルダーを、ファイル名に.sbdを付けた名前のディレクトリに収めます。これはThunderbirdがディスク上で使っているのと同じ構成です。多くのツールは階層を保持すると謳いながら、実際には1つずつインポートしなければならないファイルを平らに並べるだけです。
SMTP経由で届いたメールについては、元のヘッダーブロック全体をPSTファイルからそのままコピーします。Receivedチェーン、DKIM署名、Return-Path、List系ヘッダーも記録されたとおりに引き継がれます。実際のメッセージ18,600通を含むテスト用アーカイブでは、SMTPで配信されたメッセージのすべてにこのブロックがありました。自分で送信したメールにはこのブロックが存在しないため、ヘッダーはMAPIプロパティから再構築されます。
宛先(To)とCCはアーカイブの受信者テーブルから組み立てられるため、出力には「山田太郎」といった名前だけでなく、実際のSMTPアドレスが入ります。同じアーカイブでは99.6%のメッセージでこれが機能し、そこで見つかった受信者にはすべてアドレスがありました。表示名はメッセージ一覧では問題なく見えますが、誰かが「返信」を押した途端に役に立たなくなります。
PSTの既読、返信済み、フラグ付きのメッセージフラグは、16進数の0001、0002、0004としてX-Mozilla-Statusに書き込まれます。Thunderbirdはこのヘッダーからそれらの状態を読み取ります。
添付ファイルは変更せずに書き出されます。当社のテストでは、すべての添付ファイルがsha256で元のファイルと一致しました。HTML内のcid:参照がパートのContent-IDと一致したままなので、インライン画像は本文中に残ります。再エンコードも、「添付ファイルは変換されました」といった代替表示もありません。
日付範囲の指定、空のフォルダーのスキップ、「削除済みアイテム」の除外、添付ファイルなしでのエクスポート、既存のメールボックスへの追記ができます。書き込みはバッファリングではなくストリーミングで行われるため、大きな受信トレイ全体をメモリに収める必要はありません。当社のテストでは、上記のアーカイブを49秒でエラーなく処理し、フォルダーごとのプレーンテキストのレポートが結果の隣に作成されました。
サブスクリプションが切れたり、会社のノートPCを返却したりするとき、何年分ものメールを維持費のかからない場所に移す必要があります。その行き先の多くはThunderbirdです。難しいのは、.pstからメールを取り出す部分です。
何十ものアーカイブがあり、それぞれフォルダー構成も不要なメールもまちまちです。日付フィルターと「削除済みアイテム」の除外スイッチで、変換前に量を減らせます。フォルダーごとのレポートで、何が移行され、何が移行されなかったかがわかります。
退職した同僚から渡された.pstがあるのに、それを開けるOutlookがマシンにない。そんなときは、まず開いて中身を確認し、今も必要な部分だけを変換できます。
MBOXはメッセージを単純につなげた形式なので、1回変換すれば複数のクライアントで使えます。.sbdディレクトリはThunderbird独自の仕組みです。ほかのクライアントはこれを無視して、メールボックスファイルを直接開きます。